NOROBUSHI

ナウでヤングな40代おやじの独り言

お墓の話

 

親父の死後、どうしようか悩んだのが「お墓問題」。


100万円・・・じゃ足りない。
だいたいの相場は200万円くらいか?

 

とてもじゃないが、そんなお金はない。


秋田に住む叔父から連絡があった。

「墓はどうすんだ?秋田持ってこい。」

秋田の本家のお墓に入れてくれるという。

 

秋田の本家にお願いする事とした。

 

そして具体的にいつ秋田に行くかの話を詰める段階となった。

 

同時進行で、親父のアパートの、遺品整理も進んでいた。

 

ほぼ片付き、最後に玄関を入って正面の壁に貼ってあった俺と弟の連絡先が書かれた紙を剥がした時。。。


その紙の後から封筒が出てきた。

 

中にはかなり前に書かれた「親父の遺言」が書かれていたのである。

 

簡潔に
・戒名不要
・葬式不要
・墓不要
・遺骨は粉骨して海に散骨して欲しい
・残された者達で決めてくれ

とだけ書かれていた。
(期待してはいなかったが、当然、莫大な隠し財産のありかを告げるようなものではなかった。もちろん、そんなものはない。)

 

自分の死後に金銭的負担をかけまいとする遺言であった。

 

流石に散骨は・・・

 

しかし、もやもやしていた気持ちを晴らすべくある決断をする。

 

秋田のお墓に持っていくのはやめて、自分達の近くにある場所で自分達で決めよう、と。

 

秋田までは往復1000kmの道のり。

一度遺骨を持っていって、じゃあ後はお願いします、って訳にはいかないだろう。

年間の維持費から、お墓の管理、その他諸々。
もしかしたら、お墓の継承者になる可能性だってある。
そう頻繁に通える距離ではない。
また、気軽に御墓参りに行ける距離でもない。

 

ならば・・・

 

そして、弟とも話し合う。

 

具体的には近隣でお墓を買うという選択肢ではない。
いわゆる納骨堂、樹木葬、合祀墓、といった1代限りのスタイルのお墓を選択する。
これだと経済的にもかなり現実的な話となる。
なにより、どんな形であれ、行こうと思った時に行ける距離にある事が大事であると考えた。

 

ほぼ決まっていた事を全て覆す形となるが、意を決して叔父に連絡をした。

 

自分達の気持ちを伝えると、意外にもあっさり「分かった」と言ってくれた。

 

お寺、お坊さん、花の手配、などすでにいろいろと動いてくださっていた。


それでも文句1つ言わず、快諾してもらった。

本当に急なこちらのわがままを通してもらったのだが、本当にいろいろ気にかけてくれた事に対して感謝の気持ちしかない。

 

多分、30年以上前に一度会った事があるくらいしか接点はない。もちろん、ほとんど覚えていない。

 

それでも本当にいろいろと助けて頂いた。

 

一族の繋がり。

 

俺の従兄弟にあたる親父の兄弟(5人兄弟)の1番上の兄の長男(といっても定年退職されてる年齢)にも連絡を取ったが、実はかなり近い同じ市内に住んでいてビックリもした。

 

普段は何もないところに、いざとなった時の一族の血の繋がり、その存在を初めて知った。

 

叔父からはその後も時々連絡があり、いろいろと気遣ってもらっている。

 

そして、時間の合間をぬい、近隣の墓地をいくつか見学してきた。

なかなか良さそうな所が見つかったので、後は納骨へ向けて手続きを進めていく。

 

 

さて。


自分が死んだ時はどうしよう?


「終活」という言葉もそんなに無関係な話ではないのかな。


もちろんまだまだ先の話であろうが、いろいろと考えておく事も必要であろう。